人生を愉しく


by tabotaboy
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愛の嘆美

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    高村光太郎の智恵子に対する想い、熱烈な欲情をそのままに熱く詩う、 
        「愛の嘆美」です。


          高村光太郎

          底の知れない肉体の欲は
          あげ潮どきのおそろしいちからー
          なおも燃え立つ汗ばんだ火に
          火龍はてんてと躍る

          ふりしきる雪は深夜に婚姻飛楊
          寂寞とした空中の歓喜をさけぶ
          われらは世にも美しい力にくだかれ
          このとき深蜜のながれに身をひたして
          いきり立つ薔薇いろの蕾みに息ずき
          因ダ羅網の珠玉に照りかえして
          われらのいのちを無尽に鋳る

          冬に潜む揺監の魔力と
          冬にめぐむ下萠の成熟とー
          すべての内に燃えるものは<時>の脈拍とともに脈うち
          われらの全身に恍惚の電流をひびかす

          われらの皮膚はすさまじくめざめ
          われらの内臓は生存の喜びにのたうち
          毛髪は蛍光を発し
          指は独自の生命を得て五体に葡ひまつはり
          道を蔵した揮沌のまことの世界は

          たちまちわれらの上にその姿をあらはす 


      智恵子が亡くなった後も、光太郎は智恵子の裸体のブロンズを
      見ると、自身の中の男が目覚めるのを抑えられなかったと、
      語っていたそうです。
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by tabotaboy | 2007-06-21 21:51